というわけで、前回に続いてFPR社の万年筆の話です。アーキテクトニブという、特殊なペン先を試してみます。
僕の万年筆情報の大半は、YouTubeのえもチャンネルさんで、今回もえもちゃんねる情報ですが、アーキテクトニブは、最近海外で話題になっているペン先のようです。
ペン先についているペンポイントという、紙と接するパーツが特殊な形をしていて、縦に線を引くと細く、横に引くと太くなります。
似たようなペン先に、スタブとかカリグラフィーと言われるような物がありますが、それらは基本、縦が太くて横が細いので、アーキテクトニブはその逆になります。
日本語のために作られたペンではないのですが、日本語が綺麗に書けるようです。
アーキテクトニブは、まだ製造しているメーカーが少なくて、FPRでも、ペン先だけの単体販売しかしていません。
今回、僕はEFのデモンストレーターモデルのペン先を、このアーキテクトニブと交換して使ってみようと思っています(冒頭の写真はペン先交換後ですが、この時点ではまだ黒キャップの万年筆にはEFニブが刺さっています。時系列がおかしくてすみません)。
ペン先の交換は初めてです。というか、万年筆に興味を持って、まだ3週間くらいしか経っていません。僕は不器用なので壊してしまうイメージしかありません。
ネットで調べると、ペン先の交換は、ペン先は掴む場所がなくて力が入りづらいので、セロテープを貼り付けて引っ張るのがいいらしいです。で、やってみました。かなりおっかなびっくりでしたが、ものすごくあっさりと抜けました。
で、EFニブを大事にしまって、アーキテクトニブをペン芯に重ねて、軸に戻しました。ペン芯とペン先をどの位置で重ねるのかが分からなくて、完全に目分量でやってしまいました。
ペン芯とペン先の位置関係って、書き味とかインクフローにものすごく影響すると思うので、なんというか、部品にちょっと凹凸を作って、パチっと綺麗に定位置で重なるようにしてほしいです。まあ、そんな部分を作ったらインクの流れがおかしくなっちゃうんだろうけど……。
もしかすると、この位置を自分で微妙に調整する事で、もしかしたら自分好みのインクフローに調整できるのかもしれません。
とりあえず、多分この辺、というあたりでペン軸にペン先を戻しました。インクを入れると、なんとか使えるようです。
で、しばらくアーキテクトニブを使ってみましたが……。
うーん、スタブとか、ふでDEまんねんとか、縦横、もしくはペンの角度で線の太さが極端に変わるタイプのペン先は、僕のように絵を描いてみたいという人間には根本的に合っていないようです。よく考えたらそりゃそうですよね。
文字を書くには、抑揚のつき方が面白くて、書いていて楽しいとは思います。なのですが、僕はA5スリムサイズのトラベラーズノートにちまちまと小さい字を書くので、ちょっと太いかなあ……。
そんなわけで、かなり楽しみにしていたのですが、アーキテクトニブは面白いペン先だけど僕向きじゃなかったかなと思って、EFニブに戻す事にしました。で、またセロテープをつけて引っ張ったところ……。
ペン先ではなく、ペン軸のソケット部がまるまるすっぽ抜けてしまいました。
このデモンストレーター万年筆は、ペン軸とソケット部が別パーツになっていて、その二つは接着剤で付いているだけのようです。なるほど、ネジ溝を切ったりすると、パーツの構造が見えなくなるので、こういう作りなのかもしれません。クリア軸も同じですね。
とにかく、バラバラになってしまいました。呆然としていても仕方ないので、とりあえず耐水性の高そうな接着剤でつけてみる事にしました。
で、つけたのですが、接着剤をつける場所を間違えたり、インクが漏れたら大変なので確実につけようと、多めに接着剤をつけたせいで、透明なボディが曇ってしまいました。
そんなわけで、色々といい経験になりました。皆さんももし万年筆のペン先を交換する機会があったら、すっぽ抜けない部分を持って引っ張りましょう。
動画版はこちらから。
というわけで、色々あったFPRの万年筆ですが、価格も手頃で(高級モデルもあります)、いい製品だと思ったので、追加で何本か買ってみました。ウルトラフレックスとは別に通常のフレックスニブもあったので、試してみます。
ちょうどセールがやっていて、一定金額以上買うと、透明軸の万年筆を一本ただでつけてくれるという太っ腹なサービスをしていました。期間限定ですが、多分定期的にセールをしていると思うので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
写真ではロックタイトの接着剤を使っていますが、エポキシ系の接着剤の方が仕上がりが綺麗だとYouTube動画のコメントで教えていただきました。
セメダイン 5分硬化型エポキシ系接着剤 ハイスーパー5 80gセット CA-186
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