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FPR(Fountain Pen Revolution)のウルトラフレックスとアーキテクトニブを試す(前編)。

 奥さん( ̄Σ ̄)に「また変なクサい荷物が届いてるわよ!」と言われて、見ると
いかにも海外から来ましたよ風の黄色いクッション封筒が届いていました。
 慌てて開けたところ、入っておりましたよ。FPR社、つまりFountain Pen Revolution(万年筆革命)社の万年筆2本と特殊ペン先が。

 FPRは比較的新しいアメリカの万年筆の会社です。
 いいペンを安く、というモットーの会社なので、凝った箱とかは全く期待していなかったのですが、プチプチに包んで輪ゴムで留めただけという、今時メルカリでもちょっと怒られそうな簡素ぶりに、逆に好感が持てました。
 会社のサイトを見ると、大きなメーカーではなく、今も家のキッチンでお父さんと子供たちがペンのクリーニングやメンテナンスをしているようです。僕はなんかこういう物語に弱いのであっさり好印象ですが、まあとにかく無事届いてよかったです。

 開封………というか、プチプチから出しただけですが、今回は一番安いクリアモデルと、黒キャップのデモンストレーターモデルを買いました。ぱっと見、一部が黒いパーツになっている以外、そんなに違いがないように思えます。

 正直、僕はクリアとデモンストレーターの違いがわかっていません。多分、単純に全体が透明パーツなのがクリアで、内部構造が観察できるようにその部分だけが透明になっているものがデモンストレーターなんだと思います。

 匂いですが……先日買ったNOODLER’S INKのAHABと比べると、そんなに強い匂いではなく、匂い自体もそれほど不快な感じではなくてほっとしました。ちょっと果物か接着剤のような匂いですね。

 クリアモデルが、ペン先を特殊なUltra Flex Nibに変更したもので、$18.49、黒キャップが普通のEF Nibで$7.56。そして、今回一番試してみたかったアーキテクトニブのペン先がふたつで$11.76です。ちなみに送料が$19.00かかります。

 実物を手にしての第一印象は、ボディの透明部分が少し黄ばんでいるように見える、という事でした。汚れているというより、ちょっと古びているように見えてしまうので、これはなんとかした方がいいと思いました。匂いの強い軸は、多くはアセチルセルロース系の樹脂を使っていて、透明度が高いという利点があるらしいのですが、この製品に関しては、そうでもないみたいです。


 僕はインクの色が見えるのでクリア軸が好きなのですが、このメーカーに関しては、他の素材のものを選んだ方がいいかもしれません。

 黒キャップのデモンストレーターモデルは、ネジの切ってある部分がさらに黄色みが強く、これはグリスが塗られていることが原因のような気がします。うーん……。

 というわけで、外観の印象は今ひとつです。

 インクの吸入方式ですが、僕が買ったものはどちらも、カートリッジやコンバーターではなく、ボディ自体がインクタンクになっていて、ペンの尾部を回転させて内部のピストンを前後させてインクを吸入する、吸引式とかアイドロッパーというタイプです。
 コンバーターが不要なので安く作れるのかもしれません。ボディがインクの色になって綺麗、インクがたくさん入るというメリットがある反面、インク漏れしやすいというデメリットがあります。

 インクを入れて、実際に色々書いてみました。僕の場合、絵を描く道具として万年筆が使えないか、という実験をしているので、書くというより描く、ですが、書き味はとてもいいです。


 EFニブは、太さは普通の海外製のEFくらいで、海外の通販サイトなどで万年筆を検索すると、EFに(0.38mm)という表記をよく見かけるので、大体0.38mmくらいなのかなと思います。
 日本製のEFは、プラチナ万年筆のプレピーなどは0.2mmと表記されているので、日本の万年筆に比べるとちょっと太いですが、あまり小さくなければ漢字も問題なく書けるくらいの細さはあります。そして、書き味は非常に滑らかです。
 ペン先は(本体もですが)インド製だと公式サイトに書かれていました。

 この落描きは、気温のせいかインクの出が良すぎて、ちょっと線が太くなっています。

 Ultra Flexニブは、NOODLER’S INKのAHABと同じように、ペンの切り割りが根元まで達していて、筆圧をかけるとペン先が左右に大きく開いて太い線が書ける、というタイプのペン先です。僕はこういう線の強弱がつけやすくて、かつ細い線が引ける万年筆を探し求めています。

今回のUltra Flexは、NOODLER’S INKのAHABと同じくらいの太さ。筆圧をかけると、FPRの方が太くなります。AHABの方が硬めですね。線の細さは、AHABもそうですが、かなり細い線が引けるけど、あと一歩細ければ……という感じです。
 ……と書いてしまうと、ダメだったみたいですが、文字を書くペンとしては、FPRのUltra FlexもAHABも線に抑揚がついて、書きごこちはすごくいいです。書き味は、FPRはかなり滑らか、AHABはそれに比べると少しカリカリしています。

 この記事のために、改めてちょっとUltra Flexで落描きをしたのですが、トラベラーズノートのような小さな手帳に小さな絵を描くには、あとちょっと細い線が欲しい、という場面が時々あるのですが、ある程度の大きさの絵だったら十分実用かもしれないと思いました。僕はまだ万年筆の経験も浅いし、ペン画も不慣れな部分が多いので、短期間で感想がコロコロ変わってしまいます。もう少し期間をおいて改めてレビューしようと思います。

 もうひとつ楽しみにしていたのが、アーキテクトニブです。これについては長くなるので次回。

動画版はこちら。

Fountain Pen Revolutionのサイトはこちら

 記事中に出てきたNOODLER’S INKのAHABはこれです。

Noodlers 万年筆 しなやかなペン先 ピストン充填 透明 デモ

Bitly

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